若手 IT エンジニアに贈る今必要な経験・スキル・考え方

日経 SYSTEMS 2016 年 3 月号
川口 恭伸 ( かわぐち やすのぶ )

今回は、若手エンジニアに身に付けてほしい「勝ちパターン」について取り上げたい。IT 現場では「こうすればうまくいくのに、なんでみんなそうしないんだろう?」と感じることがある。そして実際に自分が考えるやり方を試すとうまくいく。だんだんとそういう経験が増えていく。
p.16

つまり、経験に基づく深い理解があれば、目前の状況に対して、自分が経験した「うまくいきそうな方法」を当てはめられる。
p.16

つまり、他者が持っている勝ちパターンを短期間で認識するには、自分でも似通った勝ちパターンを持っていなければならない。全く知らない分野のすごい技を見せられても、それがどういうスキルであるかを認識できなければ、真似できないし、その相手と上手に協業できないだろう。近くにいる人が高いスキルを持っていたとしても、自分がそれに気が付かなければ、学び取るのは不可能だ。
p.17

暗黙知のままコピーする学習と、形式知を読み取って実験しながら学ぶ学習は、組織内で相互に絡み合いながら繰り返し行われていき、その結果、多くの人に実践的な知識が波及していくことになる。『知識創造企業』 ( 野中郁次郎、竹内弘高、梅本勝博 著、東洋経済新報社 ) によると、これを SECI ( セキ ) モデルと呼ぶ。
p.18

チームがうまく機能していくためには、メンバー相互の勝ちパターンの理解が必要になる。どういう時にどんな勝ちパターンを投入するのか。どう課題を捉えて、どう考えて何を試し、その結果をどう考えるのか。
p.18

こうした行動を自然と可能にするチーム運営方法の一つが「スクラム」だ。
p.18

スクラムの基本部分を紹介しよう。まず、チームがこれから解決していく課題や、生み出していくべき機能を「プロダクトバックログ」というリストに記載する。プロダクトバックログには厳密な優先順位を付け、それを順に完成させる。完成したら関係者にデモし、その結果が期待されたものなのかどうか、変えるところはどこなのか、といったフィードバックを受ける。新たな情報を得たチームはやり方をもっと改善する方法について考え、できる範囲で試していく。そしてこの一連の作業は 2~4 週間といった決まった期間 ( タイムボックス ) で繰り返していく。
pp.18-19

スクラムは、チームとして仕事を進めるための基本的なルールを書き出した勝ちパターンの集合体といえる。勝ちパターンを他の人にも再利用しやすいように書き出すために「パターンランゲージ」という手法がある。過去にうまくいった例を「パターン形式」で記載し、パターン同士のつながりを「一つのパターンランゲージ」として例示するものだ。
p.19

『組織パターン』( ジェームス・コプリエン、ニール・ハリソン、和智右桂 翔泳社 )
p.19

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