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vocaloid V3 Miku 英語版にシンガーのバリエーションを追加してみる

日本語版 Vocaloid V3 MIKU にはシンガーとして Original, Dark, Soft, Solid, Sweet のバリエーションがありますが、V3 MIKU English にはそのようなバリエーションがありません。ですので自分でシンガーを追加してみました。気が向いたらシンガーを追加してみます。
もしかしたら V3 MIKU 英語版の製品にはバリエーションがあるのかもしれませんが、商品紹介ページを見た限りではバリエーションが無い感じです。

まず、Vocaloid には「シンガーエディター」というのがあり、V3 では「プレシネス」「ブライトネス」「クリアネス」「ジェンダーファクター」の 4 つのパラメータがあります。また 4 つのパラメーターの他に「オリジナルの歌手」というものがあります。
日本語版 vocaloid V3 MIKU のシンガーのオリジナルの歌手はそれぞれシンガーの名前と同じで、各パラメータは 0 に設定してあります。

V3 のヘルプには情報がないようですが、V2 のヘルプによるとパラメーターの意味は以下の通り。なお、各パラメータの取りうる値は 0~127 で、初期値は全てのパラメータが 0 です。

  • (参考)V3_English
  • ブレシネス
  • 名前が示す通り、声の「息っぽさ」を増減させるパラメーターです。この値が高いとより息が加えられた感じの声になります。

    最大にすると、かすれた+割れた音になります。ノイズが乗った感じの音です。

  • ブライトネス
  • 声の高い周波数成分を増減します。この値を高くすると明るくきらびやかな音になり、低くすると落ち着いた穏やかな音になります。優しくささやくようなフレーズには、この値を低く抑えると効果的です。

    最大にしても音色はあまり変化なし。velocity が大きくなったような感じ。

  • クリアネス
  • このパラメーターの効果は”ブライトネス”と似ていますが、声質の変わり方が少し異なります。この値を高くするとシャープで澄んだ音になり、低くするとこもった重たい音になります。

    最大にすると高音にノイズが乗った音になります。

  • ジェンダーファクター
  • 歌声のフォルマント構造を変えることで、歌手のキャラクターを広範囲に変えることができます。この値を高くするほど深く男性的な声になり、低くするほど女性的な声になります。設定によりアニメのキャラクターや動物の鳴き声のような甲高い声に変えることもできます。

    最大にすると米良義一のようなカウンターテナーな声になります。

なお V2 では「オープニング」というパラメータがありますが、V3 では削除されています。ちなみに意味は以下の通り。

  • オープニング
  • 口の開け具合により声のトーンが変わる様子をシミュレートすることができます。この値を高くするほどクリアなトーンとなり、低くするほどクリアではないトーンになります。

次に、日本語版 Voaloid V3 MIKU のシンガーを比較してみます。

アレンジ例

vocaloid 英語版の発音記号との対応表

Vocaloid Editor for Cubase 64bit を使用しています。MIKU_V3_English でミクさんに英語歌詞を歌ってもらおうかと思っていますが、マニュアルが分かりずらいので対応表を作ってみました。

おやくそく
この対応表は自己責任で使用してください。

前置き
基本的には「巡音ルカ」の発音記号表と英語ライブラリの使い方と同じです。但し、前記サイトでは英語の発音記号が分かりにくいのでweblioで使用している発音記号を使用してみました。
なお、英語の発音およびフォントはwikipedia の国際音声記号を参照しました。

vocaloid 発音記号 英語の発音記号 サンプル 発音例
V ˈʌ strut 「ア」。日本語の「ア」と同じ
e e them 「エ」
I ( 大文字のアイ ) í kit 「イ」。日本語の「イ」と同じ
i: íː beef 「イー」
{ ˈæ trap 「エ」に近い音で「ア」
O: ˈɔː taught 口を開いて「オー」
Q ά lot 「オ」に近い音で「ア」
U ˈʊ put 「オ」に近い音で「ウ」
u: úː boot 「オ」に近い音で「ウー」
@r ɚ maker 舌を丸めて、「エ」に近い音で「ア」
eI ( e と大文字のアイ ) pay 「エ」に近い音で「ア」「イ」
aI ( a と大文字のアイ ) άɪ buy 「オ」に近い音で「ア」「イ」
OI ( 大文字のオーと大文字のアイ ) ˈɔɪ boy 「オィ」
@U ˈəʊ oat 「オ」に近い音で「ア」、「オ」に近い音で「ゥ」
aU άʊ loud 「アゥ」
I@ ( 大文字のアイと@ ) íɚ beer 「イァ」
e@ éɚ bear 「エァ」
U@ ˈʊɚ poor 「ウァ」
O@ ˈɔɚ pour 「オァ」
Q@ άɚ star 「アァ」
w w way 「ウ」
j j yellow 「ィ」
b b cab ( 子音 )「(ン)ブ」
d d bad ( 子音 ) 「(ン)ド」
g g bag ( 子音 ) 「(ン)グ」
bh b
音節の始め ( 帯気音を持って )
big ( 子音 ) 「ビ」
dh d
音節の始め ( 帯気音を持って )
dog ( 子音 ) 「ドゥ」
gh g
音節の始め ( 帯気音を持って )
god )( 子音 ) 「ゴ」
dZ jeans ( 子音 ) 「ジ」
v v vote ( 子音 ) 「ヴ」
D ð their ( 子音 ) ( 舌を歯で挟んで ) 「ゼ」
z ( 小文字のゼット ) z resort ( 子音 ) 「ズ」
Z ( 大文字のゼット ) ʒ Asia ( 子音 )「ジ」
m m mind ( 子音 )「ム」
n n night ( 子音 )「ン」
N ŋ long ( 子音 )「ング」
r r red ( 子音 )「ル」
l ( 小文字のエル ) l feel ( 子音 ) ( 舌を上顎につけて )「ル」
l0 ( 小文字のエルと数字のゼロ ) l ( 音節の始め ) list ( 子音 ) 「ル」
p p dip ( 子音 ) 「プ」
t t sit ( 子音 ) 「ツ」
k k rock ( 子音 ) 「(ッ)ク」
ph p
音節の始め ( 帯気音を持って )
peace ( 子音 ) 「ピ」
th t top ( 子音 ) 「ト」
kh k
音節の始め ( 帯気音を持って )
kiss ( 子音 ) 「ク」
tS touch ( 子音 ) 「(ッ)チ」
f f feel ( 子音 ) 「フ」
T θ think ( 子音 ) ( 舌を歯で挟んで ) 「シ」
s ( 小文字のエス ) s sea ( 子音 ) 「シ」
S ( 大文字のエス ) ʃ share ( 子音 ) ( 口を横に開いて ) 「シ」
h h hat ( 子音 ) 「ハ」
@ ə
シュワー ( あいまいな母音 )
England 「ァ」

Tips

  • 「歌詞の流し込み」機能でもある程度は自動で発音記号を割り振ってもらえます。しかし全ての英単語を流し込みで入力できるわけではありません。また、日本語歌詞から英語歌詞に変更する場合などは、若干不自然な歌詞になる事も考えられます。
  • Cubase 8.5 Pro + Vocaloid Editor for Cubase の場合、vocaloid の発音記号を入力するには、音符の上で右クリックし、ポップアップメニューから「音符のプロパティ」をクリックします。PHONETIC の箇所に vocaloid の発音記号を入力します。
    例えば “stand” は vocaloid の発音記号では “s t V n d” と入力します。母音 ( V ) が 1 つだけなので、stand は音符 1 つ分の長さになります。
  • vocaloid の発音記号は 1 つずつ半角スペースで区切って入力します。発音記号の一覧は上記のテーブルを参照のこと。これ以外のアルファベットを入力した場合、発音されず無視されます。音符内で有効な母音がない場合は @ が発音されるか無視されます。
  • 音符 1 つに付き母音 1 つを入力します。二重母音も母音 1 つとしてカウントされます。三重母音 ( fire の “aiər” など ) はありません。当然ながら日本語の母音と英語の母音は異なりますので単語ごとに発音を確認すると幸せになれます。
  • 複数の音符にまたがって発音する場合、母音を重ねることになります。
    例えば “stand” を 2 音符で表現する場合は “[s t V] [V n d]”、3 音符で表現する場合は “[s t V] [V] [V n d]” となります。
  • Vocaloid Editor for Cubase の場合ではシンガーの変更はトラックごとになります。日本語歌詞の途中で英単語を歌わせたい場合は、日本語シンガーでカタカナ表記にするか、英語シンガーで日本語を発音記号で表現することになります。
    一応英語の IPA 発音記号変換というサイトで英語をカタカナ表記にしたり、イギリス英語 / アメリカ英語での発音を確認したりできるようです ( 2016/03/15 時点 )